らを心服させるコツを心得ていた。彼女らには敵対感が尖鋭で余裕がないが、一段高く冷静にみると、甘さや盲点がよく分る。心服させるのはワケがない。
しかし、ルミ子は、ちがっていた。肩をそびやかして対するようなところもなく、狡猾な処世技術によって鋭角をかいているのでもないようであった。
「とても親切に看病して下さるんですッてね。放二さんが感謝していましたよ。若いうちは、親切だけでは、行き届かないものだけど、あなたはお利巧なのね」
善悪いずれにもとれるような、妙に含みの多い言葉で、せつ子はルミ子をおだてたが、ルミ子は軽く笑っただけで、
「私はヒマなのよ。先生がズッと泊りのお客さんでしょう。ほかの子たちは生活しなきゃならないけど、私の生活は安定。ゴルフも、ダンスもできないし、魚釣りも、ビンゴも、キライだし、パンパンてものは、人並みに遊ぶことを知らないものらしいのね。生活が安定すると、こまるのよ。病人の看病ぐらいに適しているらしい」
ルミ子の言葉には邪気がないのだが、せつ子は自身の気持にこだわるから、十九の女隠者の述懐を素直にうけとれないのである。
「じゃア、あなたの恋人には、病人が適している
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