をよんだ。
「あなたも一しょに行きましょうよ。バカバカしくて、一人じゃ行けやしないわ」
「ハッハ。ビックリ箱でも、ミヤゲに持ッてらッしゃい」
 しかし、せつ子は珍奇なミヤゲモノをズラリと並べて信長を呆気にとらせた秀吉の女房のような女であるから、放二の病床を慰めるもの、長平へのもの、ルミ子への手ミヤゲに至るまで、しこたま買いこんで、パンパンアパートへ高級車をのりつけた。
 ルミ子の部屋へ一足はいると、
「まア、可愛いいこと! あなた、ルミ子さんね。こんなに清楚で、明るくッて、美しいお嬢さんが、こんなアパートにねえ! あなたは、ほんとに、サンドリヨンね」
 長平には目もくれず、挨拶ぬきでルミ子をほめちぎったが、腹の中ではバカバカしくッて、ウンザリしているのである。

       七

 接客業の女というものは、交際なれているように思われがちだが、実際はアベコベである。彼女らが自由にふるまえるのは、自分の職域においてだけで、一歩出ると敵地の如く、特に同性との社交性を欠いている。女ということを売り物にしているのだから、同性に対しては、交際よりも、敵対感が先立つのはムリがない。
 せつ子は彼女
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