定させてくれるようだ。
 長平はこの安定の静かなことと美しいのに心を洗われずにはいられなかった。ステバチでもなければ、気負ったところもない。十九の少女が、その毎日の生活を正しく生きて、確実につかみとった安定なのである。そしてミジンも感傷がないのは、この少女の身辺を益々清爽なものにしているのであった。
 ただ一つ、この少女がムリをしていることはと云えば、放二に対する感情であるが、それがムリなく起伏をしずめて自然なものに見えるのは、パンパンという職業からくる特典のせいかも知れない。ルミ子の血が多くの男によって汚れているのは、そうでない場合よりも、長平にはかえって清らかなものに見えたのである。

       四

 長平は上京したが、まったく外出しなかった。ある日、青木が遊びにきて、
「君も乱暴なお方だな。上京して一週間にもなるのに、記代子嬢の病室を見舞わないのは、どういうワケです。君の心境がききたくなって、本日は、私製詰問使というわけさ」
 長平は忘れていたことを理不尽に思いださせる青木の言葉がうとましく思われた。
「君は、そんなことに、どうして、こだわるのだろうね」
「これは、おそれい
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