、ダメだわ。そんな風にいわれると、迷ってしまうわ」
「ほう。何を迷うの?」
「だって、誰だって、自分の今のこと、今考えていること、今の生活、信じたいのですもの。今のこと、後悔する日がくるなんてこと、苦しくッて、とても考えられないわ」
なんとなく、まぶしそうに、笑う。思い切って切ないことを語っていても、それだけであった。
「いつか後悔する日が来そうな気がするのかい? ヤ。そんなことをきいて、わるかったかい」
「いいえ。ヤだなア。先生は。そんなにクヨクヨしそうに見える?」
「そこが、ぼくにも分らないよ」
「先生は、どうなのよ。後悔が、こわい?」
「後悔は、ムダだと思うよ」
「そうなのよ。ですけどね。私は、こう言えると思うわ。後悔する日なんて、もう、来ッこないの。私のところへは、ね。私は、そう信じることができるんです」
言葉が、すこし、はずんでいた。彼女としては、精いっぱい力強い言い方である。明るい笑みの中に、瞳があくまで澄みきっていた。
すさまじい確信であった。はずんだ言葉と、明るい微笑が長平の胸にくいこむ。この少女の心のめざましい安定というものが、正確に長平に移動して、彼の心まで安
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