であっただけだ。
しかし、キッピイが根からの悪党だとも思われない。エンゼルが街のダニであるにしても、それだけが彼の全部ではないはずだ。キッピイがエンゼルにとりいるために級友を売ったにしても、人間というものは多かれ少かれ人を売っているものだ。人間には、めいめいに、やむにやまれぬ悲しい立場があるのだから。
「どうしたら、エンゼルの住所がつきとめられるんだろうね」
カズ子が分別ぶって言った。ヤエ子は大根足の股をひろげて投げだして、ひっくりかえって、ウチワで胸をバタバタやりながら、
「ルミちゃん、ジュクでパンパンやるのさ。エンゼルの子分が遊びにくらア。そのうちに、なんとかなるよ」
「フン。それぐらいのことだったら、あんたで間に合うよ。やってきな」
カズ子にこう言われて、ヤエ子はプッとふきだした。
「まったくだ。エンゼルの子分と遊ぶぐらいだったらね。チェッ! つまらねえとこで、間に合いやがら」
エンゼルの住所を探すということは必ずしも彼の仕事の領分ではない。エンゼルのもとに居ると分れば、せつ子や長平や、又は、警察が探しだしてくれるだろう。
しかし、放二は、そうしたくなかった。記代子の過
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