ですけど、知らない方は、真にうけるかも知れないわ。記代子さんは、まだ子供ですもの、バーッてそんなところかと思ってらッしゃるかも知れなくッてよ。そして、男のお客さん方のように、バーへ行って、気をまぎらしたかったのか知れないわ。バーで、お客さんや私たちのやってることが、つまんないんじゃなくて、同じようなことを、したかったんじゃないかしら。のんで、酔っ払って、お喋りして、乾杯したり、踊ったり……」
放二は、なるほど、と思った。
しかし、それだけの理由だとしてみると、記代子がうわべでは虚勢をはっていても、実は深く悩んでいて、バーで鬱を散じたいような、よるべない気持であったということが分るだけだ。礼子にニンシンをうちあけなかったことも、克子にはそれを打ちあけたことも、そして、二つが同じ頃であることも、特別の意味はなくなってしもう。
「ほかに、お気づきのことはありませんでしたか?」
と、きくと、礼子は放二がミレンを起す余地がないほどハッキリと否定して、
「有れば、私もうれしいわ。私、お力になってあげたくて仕方がないの。御心配でしょうねえ。大庭先生は、どうしてらッしゃるかしら?」
放二がだま
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