さん、甘チャン。文学的すぎるわ。私も、そんなに見えて?」
これが記代子の本心だろうかと青木はいぶかった。
記代子の恨みは礼子をめぐり、礼子に比較して自己を主張しているのである。礼子のバアでも、記代子の態度は際だって大人びており、対立的な感情が尖鋭であった。
記代子の意識が礼子をめぐっていることは、青木によせる感情が、放二のせいばかりでなくて、かなり本質的なものであることを表している。そう思っていいのだろうかと青木はいぶかった。
礼子の離婚の原因が、長平のせいだということも、記代子は知っている。そして、礼子を少女趣味だと面罵しているのだ。
それらのことを考えると、記代子は礼子との年齢の差を無視しており、礼子が長平によせる対等の感情で、青木に対しているように思われた。
してみると……青木は考えた。記代子の愛情の本当の根は、長平にあるのではあるまいか。えてして少女というものは、まず肉親に愛情をもつものだ。どッちにしても、彼自身が本当の対象だとは思われなかった。
「ぼくの昔の奥さんが長平さんにあこがれて離婚したということ、誰にきいたの?」
「そんなことが知りたいの?」
「なるほど。
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