黒ン坊に身をまかせて腹イセをするというような話がね。それにしても、ぼくに白羽の矢をたてるというのが、頓狂すぎるというものだ。お嬢さんや。よく、おききよ。あなた方の年頃では、遊びというものを、みんな軽く、同列のものに考えているのだね。しかし、男女の遊びは、別のものですよ。とりかえしがつかないのだからな」
「私は、遊びではないの!」
記代子は叫ぶと、すぐ立上って、大股に歩き去ってしまった。
青木は別の店で焼酎をのんだ。そして宿へもどると、彼の部屋に記代子が待っていた。
七
青木はわざとドッカとアグラをかいて、うちとけてみせて、
「やれやれ。疲れるなア。遊びたい盛りのお嬢さんが退屈して姿を消すまでつきあってあげるのは。なんて、逞しい根気だろう。まさしく、面白ずくの一念だね」
「そう?」
「まアさ。あなたは昨日から怒りすぎるよ。もっと平静に話しあいましょう」
「あなたが、怒らせるのよ」
「怒らせるつもりで言ってるんじゃないんだがなア」
「いま、なんて云った?」
「……」
「面白ずくって、なによ。そんなふうに、見えて? 私、遊んでやしないわ。離婚して、バアで働いて、礼子
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