止まる。すると、消えた。再び、真の闇。
 女の指に力がこもった。三秒。五秒。グッと握りしめた。いよいよ。長平はつづくものを期待したが、握力はにわかに弛んだ。とけたのだ。何秒かの空白ののち、長平は自分の手がすでに誰にも握られていないことをさとった。
 ポッと光った。下座がてらされている。新しい光源はアベコベに客席にあった。
 下座の奥手に、何かポーズしているらしい女の素足がてらされている。膝から下しか見えない。光が徐々に上へうごく。股。下腹部。全裸である。さっきの女ではないらしい。のびのびと、上背があるようだ。円錐形にもりあがる乳房。胸から肩の肉づきが豊かである。アゴ。女は両手を後にくみ、仰向けにポーズしていた。全身が光の中にうかんだ。女の手が静かに後をはなれて、同時に顔が正面をむいた。梶せつ子! せつ子の裸だ! せつ子の目に微笑がこもった。とたんに光が掻き消えて、せつ子の裸体は暗闇に没してしまった。
 数秒後に、皎々《こうこう》と電燈がついた。しかし下座の奥手には誰の姿もなかった。
「額縁ショーというんでしょうか」
 彼にささやく声がある。せつ子である。彼によりそって、さっきと同じ和服
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