安吾人生案内
その八 安吾愛妻物語
坂口安吾
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)何《いず》れ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから1字下げ]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ジリ/\
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不見転観相学 桜井大路
[#ここから1字下げ]
この写真(次頁の)から観た処では、額、眉、耳と何《いず》れにも非常に強く反家庭的な相が感じられる。特に顔全体の大きな特徴を成している鼻によくない相がある。この種の鼻を持つ人は、金を稼ぎ出す力は持っていても、常に散じてしまう人である。又、大変に短気であり、若くして家を捨ててしまう生え際をしている。
尚、一番強く出ているのは常識的な人間ではない、という点で他人とは絶対に相容れない人であり、誰れにでも好かれる、という人ではないが少数の目上の人には大変に愛される人ではある。
この人は孤独な人であるから、一人で出来る仕事を撰べば、四十台にして一応の名を成すが、四十五、六、七という時期は仕事と金の両面で内面的に悩むときである。五十台の
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