んが、よく/\のところです。
しかし、大体、新興喫茶で、女の子にサービスさせておきながら、ノミ屋なみの勘定ですまそうとする客はヤボですよ。あんな客はもうごめん、こり/″\ですよ、こんなにいためつけられちゃ。
[#ここで字下げ終わり]
この話は、私は新聞でよんだ。雑報欄のような小さな欄にでた記事であったが、こういうバカげた話になると、われに神仏の加護があるのか、見逃さないからフシギだね。オールの記者も御同様と見えて、チャンと手記を持ってきました。
この話は身につまされるね。私に限ったことではないが、酔いどれどもは一読ゾッとわが身のごとく肝を冷やし、つづいてゲタゲタ笑いだすところであろう。オールの記者が身につまされて手記を持参した気持は大わかりというところである。
私もずいぶんこんなことをやった。酔っぱらって気が大きくなって、酒場へのりこんであれを飲めこれを食えというバカ騒ぎをやらかす。しかし私一人ということはなく、身辺に必ず二三誰かが一しょにいて、だれかが前後不覚からまぬかれているせいかも知れん。こう目の玉のとびでる大勘定をつきつけられたことはない。
しかし、一人で行くと、よ
前へ
次へ
全39ページ中20ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
坂口 安吾 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング