「風蝕」
黄土地帯か氷山か。この作者が風蝕という言葉を知っていたという意味の絵。
「信仰の女」
ハダカの女の子がいて、腰のあたりから空中へ煉炭がゾクゾクと舞い上って行くぞ。電気もガスも自由に使えるようになったから煉炭を昇天させようというのかな。イヤイヤ。又、戦争があるようだから、神の力で煉炭をシコタマ貯蔵しましょうという念力の絵かも知れない。
「青春」
双子の大根か蕪《かぶ》かと思うとオッパイだ。オッパイが空をとんで、手がもがいてる。小さい太陽、蝶もとんでる。このオッパイがお寺の吊鐘よりも大きい。絵具代が大変だナア、ということをシンミリ考えさせる絵。
「虚無と実存」
「芸術哲学」
彼らは教祖代理はつとまらない。せいぜい指圧の出張療法をしている最中のところで、その説教はチンプンカンプン、誰も分ってくれない。絵具代をだしてくれたのは誰か、ということが主として気にかかる絵。
「森の掟」
この中に何匹の動物と人間が隠れているか一生懸命に探しなさい。馬だか狼の顔にチャックがついてるのは、当った人に、中から懸賞金をだしてあげる、というツモリにしてくれ、というような意味で見てもいいじゃねえ
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