らしい。日本選手のバタフライは、手が充分に水から抜けない。シブキをちらして水面を低く這って、充分前へまわらぬうちに、途中でジャブリと水中に没してしまう。その代り、ピッチは早い。
 見た目のフォームの美醜に於て、あんまり差があるので、とても問題になるまいと思っていたら、大マチガイで、米人選手の長い手が存分に前へ迫って水をかいてキレイにぬきあがるゆッくりした泳法と、見た目に忙しく水をちらして汚らしい日本選手の急ピッチと結構勝負になるのである。
 萩原選手が一風変っていた。はじめの百で十米ちかくもおくれるのである。あとの百で、おくれた分をとりかえして、米人選手をほぼ追いつめてしまう。後の追いこみの力泳ぶりも珍しいが、はじめの負けッぷりの悠長なのも珍しい。こんな妙な癖をもった選手というものは、珍しすぎて、とても素人には癖の由来が見当がつかないが、はじめの負けッぷりが年々悠長になるとは考えられないから、大いにたのもしいのかも知れない。
 水泳も変りました。そもそも高石が泳いでたころは、胸の方にも水着をきていたものだが、これは彼の選手中にすでにパンツだけになったようだ。
 ところで、コンビネーショ
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