ど持っていない。
 未婚時代はとにかく、ひとたび女房となるや、たちまち在来のワクの中に自ら閉じこもって、個性的な生長や、自分だけの特別な人生を構成しようという努力などは、ほとんど見ることができなくなる。
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ねむいよ、ねむいよ
ねむたかったら
女房とパンパンが
待ってる
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 私がこう唄ったからって、世の女房が私を攻撃するのは筋違いで、口惜しかったら、生活の中に、自分の個性ぐらいは生かしたまえ。諸氏ただ台所の虫、子育ての虫にあらずや。
 私は三年ぐらい前に有楽町の当時五人の姐御の一人の「アラビヤ」という三十五ぐらいの姐さんと対談したことがあった。
 たまにお客に誘われ、田舎の宿屋へ一週間も泊って、舟をうかべてポカンと釣糸をたれているのも、退屈だが、いいもんだ、と云っていた。アラビヤがそうであったが、街娼は概して個性的だ。つまり保守農民型は公娼となって定住し、遊牧ボヘミヤン型は街娼の型をとるのかも知れない。
 現在の日本は、公娼と街娼が混在しているが、果していずれが新世代の趣味にかなって生き残るかということに、私は甚しく興味をいだいているのである
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