安吾巷談
東京ジャングル探検
坂口安吾
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)呂律《ろれつ》が
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)七八|米《メートル》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)チョロ/\と
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わが経来りし人生を回想するという年でもないが、子供のころは類例稀れな暴れん坊で、親を泣かせ、先生を泣かせ、郷里の中学を追いだされて上京しても、入れてくれる学校を探すのに苦労した。私が苦労したわけではないが、親馬鹿というもので、私はだいたい学校というものにメッタに顔をださなかった。たまに顔をだすと、たちまち、先生と追いつ追われつの活躍となり、しかし結局先生を組み伏せるのは私の方であるし、当人の身にもツライことで、たのしいものではない。
追いだされるのは仕方がない。当人の身にはホッとして、これで悪縁がきれた、まったくである。不良少年というものは、行きがかりのものだ。当人が誰よりツライのである。けれども、親馬鹿だ。改めて歴とした中学へ入れようとしても、受けつけてくれるものじゃない。結局ヨタモノだけの集
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