訟を起されたら、どうなさる」
 種則は平然と苦笑して、
「君は、いったい、ユスリ屋かい。どこに僕の支払いの責任があるんだ。美代子は僕に隠れて院長とできているのだ。僕は裏切られているのだぜ。慰藉料を請求するんだったら、院長のところへ行くがいゝさ。それで宿泊料を帳消しにするのがよかろうよ。とっとゝ、帰りたまえ。変なユスリ方をすると、タメにならないよ」
 と云って、ヨタ者みたいなセセラ笑いをしている。私は全く腹を立てた。
「よろしい。只今の言葉をお忘れなさるな」
 私はその足で、二人の泊った病院へ行き院長に会い、
「さて、先生、私は富田病院から来た者ですが、大浦種則なる先生が、この病院の宿泊料二万七千円、これを美代子に支払いの義務があると云ってきました。その理由は、あなたと美代子に関係があるから、と、こういう次第です。関係のことはともかくとして、美代子の方に支払いの責任ありとは思われませんから、当方の意志をこちらへお伝えに参りました。宿泊料の請求は大浦種則にお願いします」
 院長は顔色ひとつ変えず、苦々しげに皺をよせて、
「なに、関係? なにを云っとる。パンパンみたいなものじゃないか。こっち
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