をしていた。病院の宿泊代を払わなくても済むからと、彼はむしろ喜んでいたのだ。種則は、金がつきたので、美代子に命じて、再び家から金目の物を持ち運ばせる手筈であったが、美代子が病気になったので、追い返してしまったのである。
 泊っていた病院から、種則のもとへ宿泊料のサイソクが行った。種則は支払うことができないから、美代子に手紙を届けさせて、宿泊料はそっちで支払え、美代子は院長と関係があるのだから、宿泊料の始末は美代子がつける責任がある、という言い分である。食費がはいっているから、この金額は二万七千円になっている。
 美代子はまだ病床についていた。家人には手紙を隠していたのだが、病院からサイソクがきて、バレてしまった。
 衣子は私をよんで、大浦家へ行って、この始末をつけてくるように、なんなら、こっちから慰藉料請求の訴訟ぐらい起してもいいのだから、というキツイ御命令である。
 そこで私は大浦家を訪れて、
「あなた方御兄弟もミミッチイ悪党じゃありませんか。こんな宿泊料を小娘に押しつけようなんて、ケチもいゝけれど、あんまりミミッチイ話じゃありませんか。第一、ヤブヘビですよ。慰藉料請求というような訴
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