齪Aの変更にほかならない。いま人が直面しようとするのは、刑罰の変更にである。キリストの穏和な掟は、ついに法典にもはいりこみ、法典を貫いて光り輝くだろう。罪悪は一つの病気と見られるだろう。そしてその病気には、医者があって裁判官のかわりとなり、病院があって徒刑場のかわりとなるだろう。自由と健康とは相似たものとなるだろう。鉄と火とが当てられたところに香料と油とが塗られるだろう。憤怒をもって処置されたその病苦は慈愛をもって処置されるだろう。それは単純な崇高なことだろう。磔刑台のかわりに据えられた十字架。それだけのことである。
  一八三二年三月十五日



底本:「死刑囚最後の日」岩波文庫、岩波書店
   1950(昭和25)年1月30日第1刷発行
   1982(昭和57)年6月16日改版第30刷発行
※原題の「LE DERNIER JOUR D'UN 〔CONDAMNE'〕」は、ファイル冒頭ではアクセント符号を略し、「LE DERNIER JOUR D'UN CONDAMNE」としました。
入力:tatsuki
校正:大野晋、小林繁雄、川山隆
2008年5月17日作成
青空文庫作成ファイル:

前へ 次へ
全171ページ中170ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング