包みを取り出した。種々の大きさにたたんだ紙が中にはいっているらしく見えた。
「私は記録を持っています。」と彼は落ち着いて答えた。
そしてまた言い添えた。
「男爵、私はあなたのために、このジャン・ヴァルジャンのことをすっかり探り出そうと思いました。私はジャン・ヴァルジャンとマドレーヌとは同一人であると申しましたし、ジャヴェルを殺したのはジャヴェル自身にほかならないと申しましたが、そう申すにはもとより証拠があってのことです。しかも手で書いた証拠ではありません。書いたものは疑うこともでき、またどうにでもなるものです。けれども私が持ってるのは、印刷した証拠物であります。」
そう言いながらテナルディエは、黄ばみがかって色が褪《あ》せてしかも強い煙草《たばこ》のにおいがする二枚の新聞紙を、包みの中から引き出した。そのうちの一枚は、折り目が破れて四角な紙片に切れており、も一枚のよりずっと古いものらしかった。
「二つの事実と二つの証拠です。」とテナルディエは言った。そして彼はひろげた二枚の新聞紙をマリユスに差し出した。
その二枚の新聞は、読者の知ってるものである。古い方のは、一八二三年七月二十五
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