のです。男爵も打ち明けて言われましたから、私の方でも打ち明けて申しましょう。何よりもまず真実と正義とが第一です。私は不正な罪を被ってる者を見るのを好みません。男爵、ジャン・ヴァルジャンはマドレーヌ氏のものを盗んではいません。ジャン・ヴァルジャンはジャヴェルを殺してはいません。」
「何だと! それはどうしてだ?」
「二つの理由からです。」
「どういう理由だ? 言ってみなさい。」
「第一はこうです。彼はマドレーヌ氏のものを盗んだというわけにはなりません、ジャン・ヴァルジャン自身がマドレーヌ氏であるからには。」
「何を言うんだ。」
「そして第二はこうです。彼はジャヴェルを殺したはずはありません、ジャヴェルを殺したのはジャヴェル自身であるからには。」
「と言うと?」
「ジャヴェルは自殺したのです。」
「証拠があるか、証拠が!」とマリユスは我を忘れて叫んだ。
 テナルディエはあたかも古詩の句格めいた調子で言った。
「警官……ジャヴェルは……ポン・トー・シャンジュの橋の……小船の下に……おぼれて……いました。」
「それを証明してみなさい!」
 テナルディエは腋《わき》のポケットから、大きな灰色の紙
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