わずかに三十スーで、しかもずっと品がよい。留め金は紫のガラスでできるのだが、右の鑞でそのガラスを黒い鉄の小さな輪縁につける。ガラスは鉄の玉には紫でなければいけないし、金《きん》の玉には黒でなければいけない。スペインにその需要が多い。それは飾り玉の国で……
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 そこで彼は書くのをやめ、ペンは指から落ち、時々胸の底からこみ上げてくる絶望的なすすり泣きがまた襲ってき、あわれな彼は両手で頭を押さえ、そして思いに沈んだ。
「ああ、万事終わった。」と彼は心の中で叫んだ(神にのみ聞こえる痛むべき叫びである)。「私はもう彼女に会うこともあるまい。それは一つのほほえみだったが、もう私の上を通りすぎてしまった。彼女を再び見ることもなく、私はこのまま闇夜《やみよ》のうちにはいってゆくのか。おお、一分でも、一秒でも、あの声をきき、あの長衣にさわり、あの顔を、あの天使のような顔をながめ、そして死ねたら! 死ぬのは何でもない。ただ恐ろしいのは、彼女に会わないで死ぬことだ。彼女はほほえんでくれるだろう、私に言葉をかけてくれるだろう。そうしたとてだれかに災いをおよぼすだろうか。いやいや、もう
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