かった。
彼は気力もぬけはてて出て行った。
こんどは彼もよく了解した。
翌日彼はもうこなかった。コゼットは晩になってようやくそれに気づいた。
「まあ、」と彼女は言った、「ジャンさんは今日いらっしゃらなかった。」
彼女は軽い悲しみを覚えたが、すぐにマリユスの脣《くち》づけにまぎらされて、ほとんど自ら気にも止めなかった。
その翌日も彼はこなかった。
コゼットは別にそれを気にもせず、いつものとおりその晩を過ごし、その夜を眠り、目をさました時ようやくそのことを頭に浮かべた。彼女はそれほど幸福だったのである。彼女はその朝すぐにジャン氏のもとへニコレットをやって、病気ではないか、また昨日はなぜこなかったかと尋ねさした。ニコレットはジャン氏の答えをもたらしてきた。少しも病気ではない。ただ忙しかった。すぐにまた参るだろう、できるだけ早く。それにまたちょっと旅をしようとしている。奥さんは自分がいつも時々旅する習慣になってるのを覚えていられるはずである。決して心配されないように。自分のことは考えられないように。
ニコレットはジャン氏の家へ行って、奥様の言葉をそのまま伝えたのだった。「昨日ジャ
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