も何にもあなたには話してあげないわ。いけないんですって? では私の方でも、覚えていらっしゃい、いけないと言ってあげるわ。どちらが降参するでしょうか。ねえ、マリユス、私もあなたたちおふたりといっしょにここにいさして下さいな。」
「いや、是非ともふたりきりでなければいけないのだ。」
「では私はほかの者だとおっしゃるの?」
ジャン・ヴァルジャンはそれまで一言も発しなかった。コゼットは彼の方を向いた。
「まずお父様、私はあなたに接吻《せっぷん》していただきたいわ。私の加勢もしず何ともおっしゃらないのは、どうなすったんです。そんなお父様ってあるものでしょうか。このとおり私は家庭の中でごく不幸ですの。夫《おっと》が私をいじめます。さあすぐに私を接吻して下さいな。」
ジャン・ヴァルジャンは近寄った。
コゼットはマリユスの方を向いた。
「私はあなたはいや。」
それから彼女はジャン・ヴァルジャンに額を差し出した。
ジャン・ヴァルジャンは一歩進み寄った。
コゼットは退った。
「お父様、まあお顔の色が悪いこと。お手が痛みますの。」
「それはもうよくなった。」とジャン・ヴァルジャンは言った。
「よ
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