ことだからお前は退屈するに違いない。」
「まああなたは、今朝《けさ》きれいな襟飾《えりかざ》りを[#「きれいな襟飾《えりかざ》りを」は底本では「きれいな襟飾《えりかざ》を」]していらっしゃるのね。ほんとにおしゃれだこと。いえ、数字でも私は退屈しませんわ。」
「きっと退屈するよ。」
「いいえ。なぜって、あなたのお話ですもの。よくはわからないか知れないけれど、おとなしく聞いていますわ。好きな人の声を聞いておれば、その意味はわからなくてもいいんですもの。ただ私はいっしょにいたいのよ。あなたといっしょにいますわ、ねえ。」
「大事なお前のことだけれど、それはいけないんだ。」
「いけないんですって!」
「ああ。」
「よござんすわ。」とコゼットは言った。「いろんなお話があるんだけれど。お祖父様《じいさま》はまだお起きになっていません。伯母様《おばさま》は弥撒《みさ》に参られました。フォーシュルヴァンお父様の室《へや》では、暖炉から煙が出ています。ニコレットは煙筒掃除人を呼びにやりました。トゥーサンとニコレットとはもう喧嘩《けんか》をしました。ニコレットがトゥーサンの吃《ども》りをからかったんです。で
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