てある。
コゼットは大鏡に映して自分の姿を頭から足先までながめ、それから言い難い喜びにあふれて叫んだ。
「むかし王様と女王様とがおられました、というお噺《はなし》のようだわ。私ほんとにうれしいこと!」
そう言って彼女は、マリユスとジャン・ヴァルジャンとに会釈した。
「さあ私は、」と彼女は言った、「あなた方のそばの肱掛《ひじか》け椅子《いす》にすわっていますわ。もう三十分もすれば御飯なのよ。何でも好きなことを話しなさるがいいわ。男の方って話をしずにはいられないものね。私おとなしくしていますわ。」
マリユスは彼女の腕を取って、やさしく言った。
「僕たちは用談をしているのだからね。」
「あそうそう、」とコゼットはそれに答えて言った、「私窓をあけたら、庭にたくさんピエロ([#ここから割り注]訳者注 雀の俗称[#ここで割り注終わり])がきていましたわ。小鳥の方のよ、仮装のではないのよ。今日は灰の水曜日([#ここから割り注]四旬節第一日[#ここで割り注終わり])でしょう。でも小鳥には大斎日もないのね。」
「僕たちは用談をしているんだから、ねえ、コゼット、ちょっと向こうへ行ってておくれ。数字の
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