。」とマリユスは言った。「あなたの赦免を得るように努めてみましょう。」
「それはむだなことです。」とジャン・ヴァルジャンは答えた。「私は死んだ者と思われています。それで充分です。死んだ者は監視を免れています。静かに腐蝕してると見|做《な》されています。死は赦免と同じことです。」
 そしてマリユスに握られていた手を放しながら、犯すべからざる威厳をもって言い添えた。
「その上、義務を果たすことは、頼りになる友を得ると同じです。私はただ一つの赦免をしか必要としません、すなわち自分の良心の赦免です。」
 その時、客間の他の一端にある扉《とびら》が少し静かに開いて、その間からコゼットの頭が現われた。こちらからはそのやさしい顔だけしか見えなかった。髪はみごとに乱れており、眼瞼《まぶた》はまだ眠りの気にふくらんでいた。彼女は巣から頭を差し出す小鳥のような様子で、最初に夫《おっと》をながめ、次にジャン・ヴァルジャンをながめ、そして薔薇《ばら》の花の奥にあるほほえみかと思われるような笑顔をして、彼らに言葉をかけた。
「政治の話をしていらっしゃるのね、私をのけものにして何ということでしょう!」
 ジャン・
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