十の字にひろげて、夜が明けるまでじっとしていた。十二時間の間、冬の長い夜の十二時間の間、頭も上げず一言も発しないで、凍りついたようになっていた。自分の思念が、あるいは蛇のように地面をはい、あるいは鷲《わし》のように天空を翔《かけ》ってる間、死骸《しがい》のように身動きもしないでいた。その不動の姿は、あたかも死人のようだった。と突然彼は痙攣的《けいれんてき》に身を震わし、その口はコゼットの衣裳に吸い着いて、それに脣《くち》づけをした。彼がなお生きてることを示すものはただそれだけだった。
それを見ていた者は、だれであるか、だれかであるか? ジャン・ヴァルジャンはただひとりであって、そこにはだれもいなかったではないか。
否、闇《やみ》の中にある「あの人」が。
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第七編 苦杯の最後の一口
一 地獄の第七界と天国の第八圏
結婚の翌日は寂しいものである。人々は幸福なふたりの沈思に敬意を表し、またその眠りの長引くのに多少の敬意を表する。訪問や祝辞の混雑はしばらく後にしか始まってこないものである。さて二月十七日の朝、もう正午少し過ぎた頃だったが、バスクが布巾
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