五枝に分かれた反射鏡がかかっていた。鏡、水晶器具、ガラス器具、皿、磁器、陶器、土器、金銀細工物、銀の器具など、すべてが輝き笑っていた。燭台の間々には花輪がいっぱい積まれていて、至る所光か花かであった。
 次の間《ま》では、三つのバイオリンと一つの笛とが制音器をつけて、ハイドンの四部合奏曲を奏していた。
 ジャン・ヴァルジャンは客間の入り口の横手の椅子《いす》にすわっていて、扉《とびら》が開くとほとんどそのうしろに隠れるようになっていた。食堂にはいるちょっと前に、コゼットはふと引きずられるように彼のそばに寄ってゆき、両手で花嫁の衣裳をひろげながら深い愛敬の様子を示し、やさしいいたずらそうな目つきをして尋ねた。
「お父さま、あなたおうれしくて?」
「ああ、」とジャン・ヴァルジャンは言った、「うれしい。」
「では笑ってちょうだいな。」
 ジャン・ヴァルジャンは笑顔をした。
 やがて、バスクは食事の用意が整ったことを告げた。
 客人らは、コゼットに腕を貸してるジルノルマン氏のあとについて、食堂にはいり、予定の順序で食卓のまわりに並んだ。
 花嫁の右と左とにある二つの大きな肱掛《ひじか》け椅子《
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