は白服をまとい、大佐の肩章をつけ鉞《まさかり》で舗石《しきいし》に音を立てる案内人のあとに従い、魅せられてる見物人の人垣の間を進んで、両扉《りょうひ》とも大きく開かれてる教会堂の表門の下まで行き、再び馬車に乗るばかりになって、すべてが終わった時、コゼットはまだそれが夢ではないかと疑っていた。彼女はマリユスをながめ、群集をながめ、空をながめた。あたかも夢からさめるのを恐れてるがようだった。そのびっくりした不安な様子は言い知れぬ一種の魅力を彼女に添えていた。家に戻るために、彼らはいっしょに相並んで同じ馬車に乗った。ジルノルマン氏とジャン・ヴァルジャンとがふたりに向き合ってすわった。ジルノルマン伯母《おば》は一段だけ位を落とされて、二番目の馬車に乗った。祖父は言った。「これでお前たちは、三万フランの年金を持ってる男爵および男爵夫人となったわけだ。」コゼットはマリユスに近く寄り添って、天使のようなささやきで彼の耳根をなでた。「本当なのね。私の名もマリユスね。私はあなたの夫人なのね。」
 彼らふたりは光り輝いていた。彼らは、再び来ることのない見いだそうとて見いだせない瞬間にあり、あらゆる青春と喜
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