ではありませんか。これで悲しみや苦しみはおしまいにしたいもんです。これからはもうどこにも悲しいことがあってはいけません。まったく私は喜びを主張します。悪は存在の権利を持つものではありません。実際世に不幸な人々がいることは、青空に対して恥ずべきことです。悪は元来善良である人間から来るものではありません。人間のあらゆる悲惨は、その首府として、またその中央政府として、地獄を持っています、言い換えれば悪魔のテュイルリー宮殿を持ってるのです。いやこれは、今では私も過激派のような言い方をするようになりましたかな。ところで私はもう、何ら政治上の意見は持っていません。すべての人が金持ちであるように、すなわち愉快であるように、それだけを私は望んでいるんです。」
 あらゆる儀式を完成させるものとして、区長の前と牧師の前とである限りのしかりという答えを発した後、区役所の書面と奥殿の書面とに署名した後、ふたり互いに指輪を交換した後、香炉の煙に包まれて、まっ白な観世模様絹の天蓋《てんがい》の下に相並んでひざまずいた後、ふたり互いに手を取り合って、すべての人々から賛美されうらやまれつつ、マリユスは黒服をまとい彼女
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