婚礼なんてものはどこへ行こうと自由じゃないか。」
「まあそんなことはどうでもいい。とにかく、あの婚礼はどういうもので、あの爺《じい》さんはどういう男で、またあの人たちはどこに住んでるか、それを俺に知らしてくれというんだ。」
「いやだよ! ばかばかしい。一週間もたってから、謝肉祭の終わりの火曜日にパリーを通った婚礼がどこへ行ったか調べたって、なかなかわかるもんじゃないよ。藁小屋《わらごや》の中に落ちた針をさがすようなもんだ。わかりっこないよ。」
「でもまあやってみるんだ。いいかね、アゼルマ。」
そのうち二つの列は、大通りの両側で反対にまた動き出した。そして花嫁の馬車は仮装馬車から見えなくなってしまった。
二 なお腕をつれるジャン・ヴァルジャン
夢想を実現すること。だれがそれを許されているか。それには天における推薦を得なければならない。人は皆自ら知らずして候補に立つ、そして天使らが投票をする。コゼットとマリユスとはその選にはいっていた。
区役所と教会堂とにおけるコゼットは、燦然《さんぜん》として人の心を奪った。彼女の身じたくは、ニコレットの手伝いで重《おも》にトゥーサン
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