なったのである。マリユスとフォーシュルヴァン氏とは絶えず会っていたが、話をし合うことはあまりなかった。自然とそういうふうに黙契ができたかのようだった。娘にはすべて介添えがいるものである。コゼットはフォーシュルヴァン氏といっしょでなければやってこられなかったろう。しかしマリユスにとっては、コゼットあってのフォーシュルヴァン氏であった。彼はフォーシュルヴァン氏をとにかく迎えていた。かくて彼らは、万人の運命を一般に改善するという見地から政治上の事柄を、微細にわたることなく漠然《ばくぜん》と話題に上せて、しかりもしくは否というよりも多少多くの口をきき合うこともあった。一度マリユスは、教育というものは無料の義務的なものになして、あらゆる形式の下に増加し、空気や太陽のように万人に惜しまず与え、一言にして言えば、民衆全体が自由に吸入し得らるるようにしなければいけないという、平素の持論を持ち出したが、その時ふたりはまったく意見が合って、ほとんど談話とも言えるくらい口をきき合った。そしてフォーシュルヴァン氏がよく語りしかもある程度まで高尚な言葉を使うのを、マリユスは認めた。けれども何かが欠けていた。フォ
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