たのを感じて、それを取りに出かけていった。ブーラトリュエルが森の中でこんどは夕方でなく早朝に見かけた男は、やはりジャン・ヴァルジャンだった。ブーラトリュエルはその鶴嘴だけを受け継いだ。
実際に残ってた金額は五十八万四千五百フランだった。ジャン・ヴァルジャンはそのうち五百フランだけを自分のために引き去っておいた。「あとはどうにかなるだろう、」と彼は考えた。
その金額とラフィット銀行から引き出した六十三万フランとの間の差額は、一八二三年から一八三三年に至る十年間の費用を示すものである。そのうち修道院にいた五年間は、ただ五千フランかかったのみだった。
ジャン・ヴァルジャンは二つの銀の燭台を暖炉棚《だんろだな》の上に置いた。そのりっぱなのを見てトゥーサンはひどく感心していた。
それからまたジャン・ヴァルジャンは、ジャヴェルから免れたことを知っていた。その事実が自分の前で話されるのを聞いて、彼は機関新聞で更に確かめてみた。その記事によると、ジャヴェルというひとりの警視が、ポン・トー・シャンジュとポン・ヌーフの二つの橋の間の洗濯舟《せんたくぶね》の下に溺死《できし》してるのが発見された、し
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