ぷりかかるのだった。ブーラトリュエルはこの点を思い誤った。彼は一直線の方を信じた。一直線ということは、尊むべき幻覚ではあるが、往々人を誤らせることが多い。茂みが深く交差していたが、ブーラトリュエルはそれを最善の道のように思った。
「狼《おおかみ》の大通りから行ってやれ。」と彼は言った。
ブーラトリュエルはいつも斜めな道を取るになれていて、こんどだけまっすぐな道を歩くのは誤りだった。
彼は思い切って、入り乱れた藪《やぶ》の中につき進んだ。
柊《ひいらぎ》や蕁麻《いらぐさ》や山査子《さんざし》や野薔薇《のばら》や薊《あざみ》や気短かな茨《いばら》などと戦わなければならなかった。非常な掻傷《そうしょう》を受けた。
低地の底では水たまりに出会って、それを渡らなければならなかった。
彼はついに四十分ばかりの後、ブラリュの空地へたどりついた。汗を流し、着物をぬらし、息を切らし、肉を引き裂かれ、恐ろしい姿になっていた。
空地にはだれもいなかった。
ブーラトリュエルは石の積んである所へ走り寄った。石は元のとおりだった。動かされた跡はなかった。
男の方は、森の中に消えうせていた。逃げてし
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