も時には役に立つもので、泥酔のために助かった。彼がそこに盗賊としていたのかもしくは被害者としていたのか、どうしてもわからなかった。待ち伏せの晩泥酔していたことが証明されたので、免訴の申し渡しによって、自由の身となった。彼はまた森の中に逃げ込んだ。彼はガンエーからランニーへ至る道路工事に立ち戻り、政府の監視の下に、国家のために道路の手入れをなし、しおれた顔つきをし、ひどく鬱《ふさ》ぎこみ、危うく身を滅ぼさんとした悪事に対してもだいぶ熱がさめていた。しかし身を救ってくれた酒に対しては、いっそうの愛着をもって親しんでいた。
 道路工夫の藁小屋《わらごや》に戻って間もなく、彼がひどく心を動かされたことというのは、次のような事柄だった。
 ある朝まだ日の出より少し前の頃、ブーラトリュエルはいつものとおり仕事に、またおそらくは待ち伏せに出かけたが、その途中で、樹木の枝葉の間にひとりの男を認めた。彼はそのうしろ姿を見ただけだったが、遠方から薄ら明りの中にながめた所では、かっこうにどうやら見覚えがあるような気がした。ブーラトリュエルは酒飲みではあったが、正確|明晰《めいせき》な記憶力を持っていた。そう
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