た。そして水中に没したその暗い姿の痙攣《けいれん》の秘密は、ただ影のみが知るところだった。
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第五編 孫と祖父
一 亜鉛の張られたる樹木再び現わる
上に述べきたった事件より少し後、ブーラトリュエルはひどく心を動かされた。
ブーラトリュエルというのは、あのモンフェルメイュの道路工夫で、本書の暗黒なる場面において読者が既に瞥見《べっけん》した男である。
読者はたぶん記憶してるだろうが、ブーラトリュエルは種々の怪しい仕事をやっていた。石割りをしながらも、大道で旅客の持ち物を強奪していた。土方《どかた》でかつ盗賊でありながら、一つの夢想をいだいていた。彼は[#「彼は」は底本では「彼はは」]モンフェルメイュの森の中に埋められてるという宝のことを信じていた。いつかはある木の根本の地中に金を見いだしてやるつもりでいた。そしてまずそれまでは通行人のポケットの金に好んで目をつけていた。
けれども当座の間は彼も謹慎していた。彼はわずかに身を脱したのだった。読者の知るとおり、彼はジョンドレットの陋屋《ろうおく》の中で、他の悪漢らとともに捕縛された。ところが、悪徳
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