ちらをながめていた。するとジャン・ヴァルジャンは頭を振って、死んでるのではないと合い図をした。
門番にはジャヴェルの言葉もジャン・ヴァルジャンの合い図もよくわからないらしかった。
ジャヴェルは続けて言った。
「この者は防寨《ぼうさい》に行っていたが、このとおり連れてきたのだ。」
「防寨に!」と門番は叫んだ。
「そして死んだのだ。親父《おやじ》を起こしに行け。」
門番は身を動かさなかった。
「行けと言ったら!」とジャヴェルはどなった。
そして彼は付け加えた。
「いずれ明日《あす》は葬式となるだろう。」
ジャヴェルにとっては、公道における普通のできごとは、すべて整然と分類されていた。それは警戒と監視との第一歩である。そして各事件はそれぞれの部門を持っていた。普通にありそうな事柄はすべて、言わば引き出しの中にしまわれていて、場合に応じて必要なだけ取り出さるるのだった。街路の中には、騒擾、暴動、遊楽、葬式、などがあった。
門番はただバスクだけを起こした。バスクはニコレットを起こした。ニコレットはジルノルマン伯母を起こした。祖父の方はなるべく遅く知らせる方がいいとされて、眠ったままに
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