常に起こり得ることであるが、三十年前のパリー下水道にも起こり得るのであった。
一八三三年に始められた大工事以前には、パリーの地下の道はよく突然人を埋没させるようになっていた。
水が特に砕けやすい下層の地面にしみ込むので、古い下水道では舗石《しきいし》であり新しい下水道ではコンクリートの上に固めた水硬石灰である部分は、もうそれをささえるものがなくなって揺るぎ出していた。この種の牀板《ゆかいた》においては、一つの皺《しわ》はすなわち一つの割れ目である。一つの割れ目はすなわち一つの崩壊である。底部はかなり長く破壊していた。泥濘の二重の深淵たるその亀裂を専門の言葉では崩壊孔[#「崩壊孔」に傍点]と称していた。崩壊孔とは何であるか? 突然地下で出会う海岸の流砂である。下水道の中にあるサン・ミシェルの丘の刑場である。水を含んだ土地は溶解したようになっている。その分子は柔らかい中間に漂っている。土でもなく水でもない。時としては非常な深さにおよんでいる。そういうものに出会うほど恐ろしいことはない。もし水が多ければ、死はすみやかであって、直ちにのみ込まれてしまう。もし泥《どろ》が多ければ、死はゆるや
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