トン、ブルツス、セレアス、ステファヌス、クロンウェル、シャーロット・コルデー、サント、なども皆、手を下した後に一時悲哀を感じたのだ。人の心はたやすく傷《いた》むものであり、人生は至って不思議なものである。公徳のための殺害の場合でも、もしありとすれば救済のための殺害の場合でも、ひとりの者を仆《たお》したという悔恨の念は、人類に奉仕したという喜びの情より深いものだ。」
そして話は種々のことに飛んだが、やがてジャン・プルーヴェールの詩のことから一転して、ゼオルジック[#「ゼオルジック」に傍点]([#ここから割り注]訳者注 ヴィルギリウスの詩[#ここで割り注終わり])の翻訳者らの比較を試み、ローとクールナンとを比べ、クールナンとドリーユとを比べ、マルフィラートルが訳した数節、ことにシーザーの死に関する名句をあげたが、そのシーザーという言葉から、話はまたブルツスの上に戻った。
「シーザーの覆滅は至当である。」とコンブフェールは言った。「キケロはシーザーにきびしい言葉を下したが、あれは正当だ。あの酷評は決して悪口ではない。ゾイルスがホメロスを嘲《あざけ》り、メヴィウスがヴィルギリウスを嘲り、ヴィ
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