の灰色の頭髪が、朝の微風になぶられていた。
「炬火《たいまつ》を消したのはうれしい。」とクールフェーラックはフイイーに言った。「風に揺らめいてるあの光はいやでならなかった。まるで何かをこわがってるようだった。炬火の光というものは、卑怯者の知恵みたいなものだ。いつも震えてばかりいて、ろくに照らしもしないからね。」
曙《あけぼの》は小鳥を目ざめさせるとともに、人の精神をもさまさせる。人々はみな話しはじめた。
ジョリーは樋《とい》の上をぶらついてる一匹の猫《ねこ》を見て、それから哲学を引き出した。
「猫とはいかなるものか知ってるか。」と彼は叫んだ。「猫は一つの矯正物《きょうせいぶつ》だ。神様は鼠《ねずみ》をこしらえてみて、やあこいつはしくじったと言って、それから猫をこしらえた。猫は鼠の正誤表だ。鼠プラス猫、それがすなわち天地創造の校正なんだ。」
コンブフェールは学生や労働者らに取り巻かれて、ジャン・プルーヴェールやバオレルやマブーフやまたル・カブュクのことまで、すべて死んだ人々のことを話し、またアンジョーラの厳粛な悲哀のことを語っていた。彼はこう言った。
「ハルモディオスとアリストゲイ
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