業においては、繊巧を事としてはいけない、ただ崇高を事としなければいけない。この条件において理想の雛型《ひながた》は人類に与えらるる。
 近代の理想は、その様式を芸術のうちに有し、その方法を科学のうちに有している。科学によってこそ、詩人の荘厳なる幻影すなわち社会的美は実現されるであろう。[#ここから横組み]A+B[#ここで横組み終わり] によってこそ、エデンの園は再び作られるであろう。文化が到達し得た現在の地点においては、正確は光彩の必要な一要素である。芸術的情操は、ただに科学的機能によって助けらるるばかりでなく、またそれによって完成される。夢も計算の上に立たなければならない。勝利者である芸術も、徒歩者たる科学を支柱としなければならない。足場の強固さが大切である。近代の精神は、インドの天才を馬車とするギリシャの天才である、象の上に乗ったるアレクサンデルである。
 独断的信条のうちに化石しもしくは利得のために堕落したる人種は、文化の嚮導者《きょうどうしゃ》としては不適当である。偶像もしくは金銭の前に跪坐《きざ》することは、歩行の筋肉と前進の意志とを萎縮《いしゅく》させる。祭儀の業もしくは商
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