の利己心を持っている。一時の生命もその権利を有していて、未来のために常に犠牲にせらるべきものではない。現在地上を通るべき順番になっている時代は、後に地上を通るべき順番になってる他の時代のために、結局同等な他の時代のために、その命脈を縮めらるべきはずではない。すべての者[#「すべての者」に傍点]とよばるるある者がつぶやく。「私は存在している。私は年若く恋に燃えてる。あるいは、年老い休息を欲してる。私は一家の父であり、働き、繁昌《はんじょう》し、事業に成功し、貸し家を持ち、政府に預けた金を持ち、幸福であり、妻も子も持っており、すべてそれらのものを愛し、生き存《なが》らえたい。私を静かにさしておいて欲しい。」そういう所から、ある時におよんで、人類の豪侠《ごうきょう》なる前衛に対する深い冷淡さが生じてくる。
その上また高遠なる理想は、戦いをなしながらその光り輝く天地を去るということを、吾人は是認したい。明日の真理なる理想は、咋日の虚偽から、その方法すなわち戦いを借りてくる。未来なる理想は、過去のごとく行動する。純潔なる観念でありながら、自ら違法の行為となる。おのれの勇壮のうちに暴戻をも交じえ
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