た。
「じきにまた会おう!」

     十九 ジャン・ヴァルジャンの復讐《ふくしゅう》

 ジャン・ヴァルジャンはジャヴェルとふたりきりになった時、捕虜の身体のまんなかを縛ってテーブルの下で結んである繩《なわ》を解いた。それから立てという合い図をした。
 ジャヴェルはそれに従った。縛られた政府の権威が集中してるような名状し難い微笑を浮かべていた。
 ジャン・ヴァルジャンは鞅《むながい》をとらえて駄馬《だば》を引きつれるように、鞅縛りにした繩を取って、ジャヴェルを引き立て、自分のうしろに引き連れながら、居酒屋の外に出た。ジャヴェルは足をも縛られていてごく小またにしか歩けなかったので、ゆっくりと進んでいった。
 ジャン・ヴァルジャンは手にピストルを持っていた。
 ふたりはかくて防寨《ぼうさい》の中部の四角な空地を通っていった。暴徒らはさし迫った攻撃の方に心を奪われて、こちらに背中を向けていた。
 ただマリユスひとりは、少し離れて防壁の左端に控えていて、ふたりの通るのを見た。死刑囚と処刑人と相並んだありさまは、マリユスの心の中にある死の光で照らし出された。
 ジャン・ヴァルジャンは一瞬間も
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