かかる同志らが死なんとする以上は、その死はりっぱなものでなければならない、と彼は思っていた。
彼はマリユスに言った。「僕らふたりは主将だ。僕は家の中で最後の命令を与えよう。君は外にいて見張りをしてくれたまえ。」
マリユスは防寨《ぼうさい》の頂で見張りの位置についた。
読者が記憶するとおり野戦病院となってる料理場の扉《とびら》を、アンジョーラは釘付《くぎづ》けにさした。
「負傷者らに累を及ぼしてはいけない。」と彼は言った。
彼は下の広間で、簡潔な深く落ち着いた声で、最後の訓令を与えた。フイイーはそれに耳を傾け、一同を代表して答えた。
「二階に、階段を切り離すための斧《おの》を用意しておけ。それがあるか?」
「ある。」とフイイーは言った。
「いくつ?」
「普通のが二つと大斧が一つ。」
「よろしい。健全な者が二十六人残っている。銃は何挺《なんちょう》あるか。」
「三十四。」
「八つ余分だな。その八梃にも同じく弾をこめて持っていろ。サーベルやピストルは帯にはさめ。二十人は防寨につけ、六人は屋根裏や二階の窓に潜んで、舗石《しきいし》の銃眼から襲撃軍を射撃しろ。ひとりでも手をこまぬいていて
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