《りゅうだん》を発射していた。
 最後の防御物たる舗石《しきいし》が指定の場所に配置されたとき、アンジョーラはマブーフの死体がのせられてるテーブルの下に置いていた壜《びん》を、すっかり二階に持ってこさした。
「だれがそれを飲むんだ。」とボシュエは尋ねた。
「奴《やつ》らが。」アンジョーラは答えた。
 それから人々は一階の窓をふさぎ、夜分に居酒屋の扉《とびら》を内部から締め切ることになってる鉄の横木を、すぐ差し入れるばかりにしておいた。
 要塞は完全にでき上がった。防寨《ぼうさい》はその城壁であり、居酒屋はその櫓《やぐら》だった。
 残ってる舗石で人々は防寨の切れ目をふさいだ。
 防寨の守備軍は常に軍需品を節約しなければならないし、攻囲軍もそれをよく知ってるので、攻囲軍はわざわざ敵をあせらすような緩慢な方略を用い、時機がこないのに早くも銃火の中におどり出してみせるような外観だけの策略を事とし、実際はゆっくり落ち着いてるものである。襲撃の準備はいつも一定の緩慢さをもってなされ、次に電光石火の突撃が始められる。
 その緩慢な準備の間に、アンジョーラはすべてを検査しすべてを完成するの暇を得た。
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