はじきに他の遊星へ旅立つんだ」に傍点]。」クールフェーラックは自分の場所としておいたアンジョーラの傍の舗石《しきいし》の上に、仕込み杖《づえ》や銃や二梃《にちょう》の騎馬用ピストルや一梃のポケット・ピストルなどを、まるで武器箱をひっくり返したようにして、若い娘が小さな裁縫箱を片づけるような注意でそれを整理していた。ジャン・ヴァルジャンは正面の壁を黙ってながめていた。ひとりの労働者はユシュルー上《かみ》さんの大きな麦稈帽子《むぎわらぼうし》を頭の上に紐《ひも》で結わえつけて、日射病にかかるといけねえ[#「日射病にかかるといけねえ」に傍点]などと言っていた。エークスのクーグールド結社に属する青年らは、最後にも一度|田舎言葉《いなかことば》を急いで口にしておこうと思ってるかのように、いっしょに集まって愉快そうにしゃべり合っていた。ジョリーはユシェルー上さんの鏡を取ってきて、それに映して自分の舌を検査していた。数人の戦士らは、ある引き出しの中にほとんど黴《かび》のはえたパン屑《くず》を見つけ出して、貪《むさぼ》るようにそれを食っていた。マリユスは死せる父が自分に何というであろうかと心を痛めてい
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