X灯、声の限りに歌われてる歌、それだけの騒ぎは、日が沈むとすぐに寝ることばかりを考え、早くから蝋燭《ろうそく》を消すのを常としてる、この臆病な街路を驚かすには十分だった。もう一時間もの間、壜《びん》の中にはいった蠅《はえ》のような騒ぎを、浮浪少年はその平和な一郭にもたらしていた。郊外兵の軍曹《ぐんそう》は耳を澄ましていた。彼は待っていた。用心深い男だった。
そして激しい荷車の音に、軍曹はもうこらえきれなくなって、一つ偵察《ていさつ》してみようと決心した。
「だいぶの人数だ!」と彼は言った。「そっと行ってみよう。」
無政府の蛇《へび》めらが箱から飛び出して、その辺をのたくり回ってることは、明らかだった。
そして軍曹は、ぬき足して衛舎から外に出てみた。
ガヴローシュは荷車を押しながら、ヴィエイユ・オードリエット街から出ようとした時ふいに、軍服と軍帽と羽飾と銃とに出っくわした。
再び彼は立ち止まった。
「やあ、」と彼は言った、「先生か。こんちは、公の秩序先生。」
ガヴローシュの驚きは、ただ一時のことですぐに消えてしまったのである。
「どこへ行くのか、小僧。」と軍曹は叫んだ。
「君
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