@ガヴローシュは自ら好んでショーム街の街灯を石で打ち壊した後、ヴィエイユ・オードリエット街にはいり込み、「猫《ねこ》の子一匹」いないのを見て、その好機会に乗じてできる限りの歌を歌い出した。彼の歩みは、歌のために緩《ゆる》くなるどころではなく、かえって勢いがついてきた。あるいは寝静まりあるいはおびえ潜んでる人家の軒ごとに、火をつけて回るように次の歌を浴びせかけ始めた。

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籬《まがき》の中には小鳥の陰口、
昨日アタラはロシアの男と
姿をくらまし逃げたとさ。

 娘たちどこへ行く、
  ロン、ラ。

おかしな雀《すずめ》しゃべくりやがる、
こないだミラがその窓をたたいて
俺の名を呼んだばっかりに。

 娘たちどこへ行く、
  ロン、ラ。

ほんにかわいい女ども、
俺《おれ》を惑わすその毒は
オルフィラさんをも酔わすだろう。
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([#ここから割り注]訳者注 オルフィラとは当時有名な毒物学者[#ここで割り注終わり])

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 娘たちどこへ行く、
  ロン、ラ。

愛と争論《いさかい》、俺《おれ》は好き、
パメラとアグネス、俺は好
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