uそれじゃ、俺《おれ》が防寨《ぼうさい》からきたことをお前は知ってるわけだな。」
「知ってるとも。」とジャン・ヴァルジャンは言った。
 ガヴローシュは貨幣を入れたのと別なポケットに手を差し込み、四つに折った紙を引き出した。
 それから彼は挙手の礼をした。
「大事な使いだ。」と彼は言った。「仮政府からきた使いだ。」
「渡してくれ。」とジャン・ヴァルジャンは言った。
 ガヴローシュは頭の上に紙をささげた。
「恋文だと思っちゃいけねえ。あて名は女だが、実は人民へあてたものだ。俺《おれ》たち男どもは戦いをしてるが、婦人は尊敬する。女を食い物にする獅子《しし》のような奴《やつ》がいる上流とはわけが違うんだ。」
「渡してくれ。」
「つまり、」とガヴローシュは言い続けた、「お前はりっぱな男だと俺は思うんだ。」
「早く渡せ。」
「さあ。」
 そして彼はジャン・ヴァルジャンに紙を渡した。
「急ぐんだぜ、爺さん、嬢さんが待ってるからな。」
 ガヴローシュはかく爺《じい》さん嬢さんと語呂《ごろ》を重ねたのに自ら満足した。
 ジャン・ヴァルジャンは言った。
「返事はサン・メーリーへ届けるのかね。」
「そんなこ
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