スくった。
「よろしい。」と彼は言った。
そして彼は、モンデドゥール小路へ駆け出していった。
ガヴローシュはある考えを思い浮かべて、それで心を決したが、マリユスが異議を持ち出しはしないかと気使って、口には出さなかったのである。
その考えというのは、こういうことだった。
「まだせいぜい十二時だ。オンム・アルメ街は遠くない。今からすぐに手紙を持って行って、そのまま帰って来れば間に合うだろう。」
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第十五編 オンム・アルメ街
一 饒舌《じょうぜつ》なる吸い取り紙
都市の騒擾《そうじょう》も人の魂の動乱に比ぶれば何であろう。一個の人間は一団の民衆よりも更に大なる深さを有している。ちょうどこの時ジャン・ヴァルジャンは、恐るべき惑乱にとらえられていた。あらゆる深淵《しんえん》が彼のうちに再び口を開いていた。彼もまたパリーと同じく、暗黒な恐ろしい革命の縁に震えていた。その変動はわずか数時間のうちに起こったのである。彼の運命と本心とは、突然やみにおおわれてしまった。パリーと同じく彼についても、二つの主義が相|対峙《たいじ》していると言い得るのだった。白い天
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